海の生き物
2023年12月11日

海の危険生物には要注意!危険生物の種類・特徴と対処法を解説

くらげ
マリンスポーツ・レジャーを安全に楽しみたいのであれば、海の危険性物についても理解しかなくてはなりません。今回解説する危険性物の特徴を頭に入れておけば、被害を防ぎやすくなります。「どのような危険があるのか」「どの辺りに生息しているのか」なども解説するため、向かうエリアや目的と照らし合わせながら目を通してみましょう。

また、危険性物への対策・対処法についても解説しています。「お子さまと一緒に海で遊びたい」「ダイビング・シュノーケリングを最大限楽しみたい」といった方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

海の危険生物の種類・特徴

海の危険生物について、主な生息範囲別に種類・特徴を解説します。海で遊ぶ目的・場所によって注意すべき生物は異なるため、今後の予定と照らし合わせながらチェックしてみましょう。

浅瀬で注意が必要な生物

海の浅瀬で注意が必要な生物は、次のとおりです。

 

<浅瀬で注意が必要な生物>

  • クラゲ
  • エイ
  • タコ(ヒョウモンダコ)
  • ウニ(ガンガゼ)

 

上記は、海水浴や潮干狩りなどで被害に遭いやすい生物です。子どもとのレジャーを楽しみたい方は、各生物の特徴を頭に入れておきましょう。

クラゲ

クラゲは刺胞動物(針を発射する生物)の一種であり、中には強力な毒性を持つタイプもいるため、注意が必要です。

 

<クラゲの特徴>

  • 触手に毒針を持っている
  • クラゲの種類によっては重篤な症状を引き起こす
  • 浅瀬や干潟を漂っているケースもあるため注意

 

海中ではフワフワと漂っているだけですが、触手に触れると肌に毒針が刺さります。クラゲの種類によって毒性の強弱には差があるものの、刺された患部が赤く腫れあがったり、アナフィラキシーショックを引き起こしたり、何らかの症状を引き起こします。浅瀬や干潟を漂っているケースもあるため、海水浴・潮干狩りの際は周囲を確認しつつ、得体の知れない生物に触れないよう注意しましょう。

エイ

エイには毒針を持つ種類もいるため、浅瀬を泳ぐ・歩く際は刺されないよう注意が必要です。

 

<エイの特徴>

  • 波打ち際や入り江、浅瀬の砂地などに現れるケースもある
  • 地面に擬態する種類(アカエイなど)もいる
  • ビーチサンダルを貫通するほど鋭い毒針を持つ

 

エイの中でも、アカエイは北海道から九州南岸まで、広い範囲に生息しています。砂地の中に潜っている場合、海上からは目視しにくいケースもあるため、浅瀬を歩く際は周囲を確認しながら移動しましょう。

タコ(ヒョウモンダコ)

タコの中には、毒性を持つヒョウモンダコという種類もいるため注意が必要です。

 

<ヒョウモンダコの特徴>

  • 日本では福井県、千葉県などの海に出没
  • 浅い海の岩礁やサンゴ礁付近に生息
  • 噛まれた場合、唾液に含まれる毒(テトロドトキシン)が体内に入る

 

噛みつかれると嘔吐や呼吸困難などを引き起こす恐れがあります。生息域は限られていますが毒性の強い生物なので、磯付近で遊ぶ際は足元に注意を払いましょう。

ウニ(ガンガゼ)

ガンガゼは20~30㎝の毒針を持っており、海水浴やダイビング中は触れないように注意しなければなりません。

 

<ガンガゼの特徴>

  • 水深の浅い海にも生息している
  • 毒針には返しがついており、刺さるとなかなか抜けない
  • 毒針がウエットスーツを貫通するケースもある

 

ガンガゼの毒針に刺されると、折れた針がそのまま残り、毒によって患部が激しく痛みます。ガンガゼはもちろん、海中でウニを見つけても、安易に接触しないよう注意しましょう。

海中で注意が必要な生物

海中で注意が必要な生物は、次のとおりです。

 

<海中で注意が必要な生物>

  • イタチザメ
  • ウツボ
  • ウミヘビ

 

海水浴やシュノーケリングで被害に遭う恐れがあるため、どのような危険があるのか頭に入れておきましょう。

イタチザメ

イタチザメは世界3大危険ザメの一種とされており、浅瀬にも侵入するため、ダイビングやシュノーケリング中は注意しなければなりません。

 

<イタチザメの特徴>

  • 日本では関東以南の沿岸域に生息
  • 表層~水深140mを泳いでいる
  • 人食いザメとも知られ、人に危害を及ぼすこともある

 

イタチザメは昼夜問わず活動しているので、マリンスポーツの最中に出くわすケースもあります。発見した際は、速やかに海から上がりましょう。

ウツボ

ウツボは浅い岩礁地帯や岩肌などに生息しており、鋭い大きな歯が特徴的な生物です。

 

<ウツボの特徴>

  • 攻撃的な性質
  • 岩の割れ目などに隠れている
  • 鋭く大きな歯を持ち、人の手が噛みつかれた事故例もある

 

攻撃的な性質があるものの、こちらから接触しなければ、攻撃される心配はありません。ただし、海中では隠れているウツボに気がつかないこともあるので、ダイビング中は周囲の岩肌や割れ目などを必ず確認しましょう。

ウミヘビ

ウミヘビは魚類と爬虫類にわけられ、後者に属するものは毒性があるため注意が必要です。

 

<ウミヘビの特徴>

  • 爬虫類のウミヘビには鱗がある
  • 噛まれると呼吸困難や全身麻痺などの症状を引き起こす恐れもある
  • 暖かい海を好み、サンゴ礁や砂底域など幅広い海域に生息

 

ウミヘビから人を攻撃するケースはほとんどなく、こちらから手を出さなければ噛まれる心配はありません。海中で見つけても、こちらから近づかないようにしましょう。

海底・岩肌で注意が必要な生物

海底・岩肌などで注意が必要な生物は次のとおりです。

 

<海底・岩肌で注意が必要な生物>

  • オニダルマオコゼ
  • シャコ
  • イソギンチャク

 

中には毒性のある生物もいるため、ダイビング・シュノーケリングの予定がある方はぜひ参考にしてみてください。

オニダルマオコゼ

オニダルマオコゼは世界一の猛毒魚とも知られる生物なので、ダイビング・シュノーケリング中に見つけても触らないように注意しましょう。

 

<オニダルマオコゼの特徴>

  • 熱帯の浅い海域に生息(八丈島や小笠原諸島など)
  • 海底の岩などに擬態する
  • 背びれの毒針に刺されると、激しい痛みや痺れを引き起こす

 

オニダルマオコゼは岩などに擬態しているため、目視では発見しにくい可能性があります。また、ゴム底の靴では、オニダルマオコゼの毒針が貫通します。沖縄の海でダイビング・シュノーケリングを楽しむ際は、フェルト底の靴など、強い素材のものを使用しましょう。

シャコ

シャコには毒性がないものの、安易に触れると手や指をケガする恐れがあるので注意してください。

 

<シャコの特徴>

  • 北海道から九州まで、沿岸部の広範囲に生息(海底に巣穴を作る)
  • 捕脚(小さなハンマーのような部位)を使って獲物を捕食する
  • 安易に触れると捕脚で攻撃される恐れがある

 

シャコの捕脚は貝を割るほど強い威力があります。シャコから人間を襲うことはありませんが、近づくと攻撃されるケースもあるので、安易に触れないようにしましょう。

イソギンチャク

イソギンチャクには毒性を持つものが多く、触れると痛みや腫れなどの症状を引き起こす恐れがあるので注意しましょう。

 

<イソギンチャクの特徴>

  • 日本でも幅広い海域に生息している(岩礁や浅瀬など)
  • 刺される皮膚の痛みや腫れ、発熱、めまいなどの症状を引き起こす恐れがある

 

イソギンチャクは見た目の美しい生物ですが、ダイビングやシュノーケリング中は触れないように気をつけましょう。触手にある毒針に刺されると、上記のような症状を引き起こす可能性があります。

 

海の危険生物への対策方法

海の危険生物には、以下の方法で対策しましょう。

 

<危険生物への対策方法>

  • ウエットスーツやラッシュガードなどで肌の露出を抑える
  • クラゲネットのある海で泳ぐ
  • 安易に海底の岩場や砂地に手足をつけない
  • 海の生物に手を出さない
  • 常に周囲を警戒する(危険性物がいる場合は離れる)

 

肌の露出を抑えることで、クラゲなどの毒針から身を守りやすくなります。さらに、クラゲが出没しやすい沖縄県では、クラゲ防止用のネットを海中に設置しているビーチもあります。海水浴・シュノーケリング中のリスクを防ぐためにも、防止対策が施された海を選ぶことも大切です。

また、海中の生物を見つけたときは、安易に近づいてはいけません。こちらを敵と認識されると、向こうから攻撃されるリスクがあります。現地の注意事項やスタッフの指示にも従い、安全に海を楽しみましょう。

 

被害に遭ったときの対処方法

海で危険性物からの被害に遭ったときは、速やかに現地スタッフや専門医に診せる必要があります。毒を持つ生物の場合、重篤な症状に発展する恐れがあるため、素人判断で対処するのは危険です。

以下の対処法を頭に入れておくと、応急処置が必要なときや周囲に専門知識を持つ方がいないなどの状況でも、冷静に対処できます。

 

【危険性物の被害に遭ったときの対処法】

危険性物の種類

対処法

クラゲ・イソギンチャク

・針や触手をピンセットで取り除く

・患部を冷水で冷やす

魚類(エイやガンガゼも含む)

・患部の針を取り除く

・患部の毒を指で絞り出す

・やや熱いお湯(45℃前後)に患部をつける

ウミヘビ・ヒョウモンダコ(毒性の強いもの)

・患部の毒を絞り出す

・速やかに医療機関を受診する

 

上記はあくまでも応急処置の方法なので、毒性のある生物に噛まれたり、刺されたりした場合は、医療機関を受診しましょう。中でもヒョウモンダコは神経毒(テトロドトキシン)を持っており、海外では死亡例も報告されています。大きな事故につながらないためにも、素人のみで判断せず、専門医に診てもらうことが大切です。

 

まとめ

海は美しい場所ですが、多数の危険な生物も潜んでいます。場所によって生物の種類は異なるので、事前に海の特徴も調べておきましょう。正しい知識を持っていれば、マリンスポーツやレジャーを最大限楽しめるようになります。

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