ダイビングのウェア・器材
2023年09月04日

ダイビングに必須のレギュレーターとは?仕組みや注意点について解説

レギュレーター
ダイビングは呼吸をしながら海に潜るアクティビティのため、安全にダイビングを行うには専用の機材が必要です。海の中で呼吸をするのに欠かせない機材が、レギュレーターです。今回は、レギュレーターの仕組みや機能、選び方や注意点について解説していきます。

 

ダイビングに必須のレギュレーターとは?

レギュレーターとは、水の中で呼吸をするためのダイビング機材です。圧縮された空気が入ったタンクにレギュレーターを取り付け、レギュレーターについているマウスピースを口に入れることで呼吸ができます。

ただし、タンクに入った空気は圧が高すぎるため、レギュレーターを使うことで水圧を調整する特徴があります。水中では大気圧が水深に応じて変化するため、ダイバーが深い水中で呼吸するためには圧力調整が欠かせません。レギュレーターはこの役割を果たし、ダイバーに安全と快適さを提供します。

レギュレーターの仕組み

レギュレーターは複雑な内部構造を持つ装置で、その仕組みを理解するのはダイビングを安全に楽しむために重要です。レギュレーターは大きく分けて、以下2つの主要部分から構成されています。

 

  • ファーストステージ:タンクから供給される高圧の空気を、中間圧に減圧する役割を果たす部分です。中間圧に減圧された空気はセカンドステージに送り込まれ、さらに圧力が下げられます。
  • セカンドステージ:ファーストステージで減圧された中間圧の空気を、ダイバーが口で吸い込むための低圧の空気に変換する部分です。セカンドステージにはマウスピースがついており、ダイバーは口から空気を吸い込んで呼吸できます。

 

レギュレーターの機能

レギュレーターには主に2つの機能が備わっています。

 

  • 呼吸用の空気を供給
  • 圧力の調整

 

■呼吸用の空気を供給
圧縮された空気が入ったタンクから、ダイバーに適切な量の空気を供給します。ダイバーはその空気を使うことで、水中での呼吸ができるようになります。

■圧力の調整
タンクの中の空気は高圧のため、水深やタンク内の圧力に応じて、ダイバーが呼吸するのに適した圧力の空気に調整します。

レギュレーターの役割

レギュレーターの役割は、ダイビング中に安全かつ快適な呼吸を提供することです。レギュレーターに問題が起こるとダイビング中に呼吸ができなくなり、急浮上しなければいけないなど、さまざまなトラブルが起こります。

急浮上すると肺が過膨張したり、減圧症が起こったりする可能性があり、最悪の場合死に至るかもしれません。レギュレーターはダイバーの命を守る重要な役割を持つため、レギュレーターは高品質で信頼性のあるものを選び、ダイビング前には必ず異常がないかを確認しましょう。

 

レギュレーターの種類

レギュレーターのファーストステージには2つの種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。

 

  • ピストンタイプ
  • ダイアフラムタイプ

 

ピストンタイプ

ファーストステージがピストンタイプのレギュレーターは、部品が少ないシンプルな構造のため、メンテナンス性が高いのがメリットです。ただし、水の侵入範囲が広く重要な部品にまで及ぶため、劣化が早いデメリットがあります。

ダイアフラムタイプ

ファーストステージがダイアフラムタイプのレギュレーターは、水の侵入範囲が小さく、耐久性に優れているのがメリットです。しかし、ピストンタイプと比べると部品点数が多く、メンテナンスに手間や費用がかかってしまいます。

 

レギュレーターの選び方

ダイビングに欠かせないレギュレーターは、口にくわえて使うため衛生面からも自分のものを持っておきたいという方は少なくありません。レギュレーターを購入する場合は、以下の3つのポイントに意識して自分に合ったものを選びましょう。

 

  • 性能
  • 重さ
  • 使いやすさ

 

性能

レギュレーターの性能は製品によって異なるため、とくに呼吸性能に優れているものを選ぶのが大切です。最低限の性能を満たす「EN250」と呼ばれる規格があり、この規格を満たしているレギュレーターは呼吸性能が高い証となります。規格を満たしている製品の場合は「CEマーク」がつけられているので、外観で判断して高性能なものを選びましょう。

レギュレーターの中には、空気の流量調整機能がついているものや低水温に対応しているもの、エンリッチドエアーに対応しているものなど、さまざまな種類があります。性能が上がるとそのぶん費用も高くなるので、機能面と金額を天秤にかけて最適なものを選びましょう。

重さ

レギュレーターは水中でのバランスを保つために重要であり、重すぎるレギュレーターは水中での動きを妨げる可能性があります。レギュレーターが重ければ、ダイビング中に疲れやすくなる原因にもなるため、軽量化されているものを選ぶのがおすすめです。軽量でコンパクトなレギュレーターであれば、移動の際の持ち運びにも便利です。

使いやすさ

レギュレーターは、操作が簡単で使いやすいことが重要です。ダイビング中にストレスを感じないよう、各部の操作がシンプルなものを選びましょう。マウスピースの使い心地や調節ノブの操作性など、実際に試してみてから購入を検討しましょう。

さらに、マウスピースが口にあっていなければ、レギュレーターが外れやすくなってしまいます。そのため、くわえやすく噛みやすいマウスピースがついているレギュレーターを選ぶようにしましょう。

 

レギュレーターを使う際の注意点

レギュレーターを使う際には、安全を確保するために3つの注意点を守りましょう。

 

  • マウスピースを強く噛まない
  • 内部に水が入らないようにする
  • レギュレータークリアを行う

 

マウスピースを強く噛まない

ダイビング中にマウスピースを強く噛むと、口の疲労や筋肉の緊張が生じ、長時間のダイビングに支障をきたす可能性があります。万が一マウスピースが口から外れると、あわててしまったり口の中に水が入ったりすることもあるので、ダイビング中はゆっくりとリラックスした噛み方を心がけましょう。

内部に水が入らないようにする

レギュレーターには、ゴミが内部に入らないようにするダストキャップがついており、お手入れするときは必ずダストキャップを閉めましょう。ダストキャップを閉めずに水洗いすると、レギュレーターの中にカビや錆びが発生し、故障の原因になりかねません。

レギュレータークリアを行う

水中でレギュレーターに水が入ってしまった場合、「レギュレータークリア」と呼ばれる動作で水を排出しましょう。レギュレータークリアは、マウスピースをくわえた状態で勢いよく息を吐くか、パージボタンを使って水を排出します。水の排出が終わったらマウスピースをくわえ直し、慎重に息を吸ってみましょう。このとき、水が口の中に入らなければ、レギュレータークリアは成功です。

 

レギュレーターのメンテナンス方法

ダイビングに欠かせないレギュレーターを安全に使うには、定期的なメンテナンスが必要です。ここからは、レギュレーターのメンテナンス方法であるオーバーホールの重要性を見ていきましょう。

オーバーホールの方法

レギュレーターなどのダイビング機材のメンテナンスは、オーバーホールと呼ばれます。ダイビングは塩分を多く含む海の中を潜るため、機材が錆びやすく劣化しやすいです。ダイビング機材はダイバーの命を守る重要な役割があるので、定期的なオーバーホールが必要です。

レギュレーターのオーバーホールは、専門のサービステクニシャンによって行われます。一年に一回、もしくは100ダイブを目安に、専門店やダイビングショップに依頼しましょう。使用後は自分でも水を使って海水や砂を落とすことで、レギュレーションの劣化スピードを遅くできます。

 

まとめ

レギュレーターには、圧縮された空気の圧力を調整し吸えるようにする役割があり、ダイビングにおいて欠かせない装備です。レギュレーターがないと水の中で呼吸ができないため、今回ご紹介した3つのポイントを参考に、自分に合ったレギュレーターを選びましょう。

レギュレーターは正しく使わないと、水中でトラブルを起こすこともあります。ダイビングを本格的に楽しみたい方は、知識と技術をしっかり身につけることが重要であり、ダイビングスクールに通うとこれらを身につけた上で、ダイビングライセンスライセンスを取得することが可能です。「東京ダイビングスクール Beyond」では、世界基準以上のスキルを19,800円で学べます。