耳の水が抜けないときはどうしたらいい?リスクの少ない対処法を解説
海やプールで泳いだ後に、耳に入った水が抜けないという経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。耳に水が入っていると不快感があるため、一刻も早く出したくなりますが、強引な方法は禁物です。そこで今回は、耳の水が抜けないときに試せるリスクの少ない対処法について解説します。
Contents
耳の水が抜けない理由は?
海やプールなどで泳いだ後、耳の水が抜けなくなる体験をしたことがある方は少なくないはずです。水の耳が抜けない理由は、耳の構造と関係があります。
耳の奥の鼓膜手前の部分にはくぼみがあり、角度が急になっています。この部分に水が入り込むと表面張力により耳の内部に張り付き、なかなか出てこない状態になるのが、耳の水が抜けない原因です。
耳の水が抜けない時は放置していてもいい?
耳の水がなかなか抜けないと心配になることがありますが、このまま放置していてもいいのでしょうか。ここでは、以下の3つのポイントに分けて解説します。
- 半日位であれば放置しても良い
- 数日間治らなかったら感染に注意
- 水ではなく外傷や病気が原因の場合も
半日位であれば放置しても良い
耳の水は多くの場合、半日ほど放置していれば自然に耳の外に流れ出ます。また、中に入った水が蒸発する場合もあります。そのため、無理に水を出そうとせず、自然に治るのを待っても問題はありません。
数日間治らなかったら感染には注意
外耳炎がある場合や耳垢が多い場合は水が抜けにくく、数日経っても状態が変わらないことがあります。耳の中が湿った状態が続くと感染症リスクがあるため、耳鼻科に相談するようにしましょう。
水ではなく外傷や病気が原因の場合も
耳の外傷や病気には、耳の水が抜けないときの感覚に似た症状のものもあります。代表的な病気として、以下のようなものが挙げられます。
- 外耳炎
- 中耳炎
- 耳管狭窄症
- 鼓膜穿孔
- 突発性難聴
- メニエール病
症状が長く続く場合は、これらの病気の可能性もあるため、耳鼻科にかかることをおすすめします。
耳の水が抜けないときの対処法
耳に入った水は自然に抜ける場合が多いとはいえ、治るまで不快感は続きます。ここでは、今すぐ何とかしたい場合に試せる対処法を、4つご紹介します。
- 耳に水を入れる
- 丸めたティッシュを耳に当てる
- 寝転がる
- 耳を下に向けてジャンプする
耳に水を入れる
耳に水を入れると、コップに容量以上の水を入れたときにあふれるのと同じ原理で、溜まった水を出せる場合があります。水の抜けない側の耳に濡れた手で雫を垂らし、少しずつ水を入れます。もしくは、もう一度海やプールに入るのも良いでしょう。この際、水圧の強いシャワーの水を耳に入れることは避けます。
丸めたティッシュを耳に当てる
ゆるやかに耳の中の水を取るなら、丸めたティッシュを耳に当て水を染み込ませる方法もあります。一瞬で水が抜けるときの爽快感は得にくいですが、外耳道を傷つけるリスクが少なく安全な方法です。
耳を傷つけないために、ティッシュは丸めて使用しましょう。こよりにして奥まで差し込むことはしてはいけません。
寝転がる
仰向けに寝転がって1分ほど待った後、水の抜けない耳が下側になるよう寝返りを打つと、水が出てくる場合があります。一度で出てこないときはもう一度仰向けになり、何度も寝返りを繰り返すと効果があるかもしれません。
耳を下に向けてジャンプする
顔を横に傾け、水の抜けない側の耳を地面に向けてジャンプすると、重力で水が出てくることがあります。ただし、上記の説明のとおり耳内部にはくぼみがあり、表面張力も働くためこの方法では効果がないケースもあります。
水が抜けないからといって、無理やり首を振ったり強くジャンプしたりすると、首を傷める危険があるので注意しましょう。
耳の水が抜けないときにしてはいけないこと
なかなか耳の水が抜けないとイライラしてしまいがちですが、強引な方法で水を抜こうとすることは避けましょう。とくにしてはいけないのは、以下の2つです。
- 綿棒を耳の奥まで入れる
- 頭を強く叩く
綿棒を耳の奥まで入れる
耳の奥の水を吸い取ろうとして綿棒を深く突っ込むのは、よくありがちなケースです。しかし、水は鼓膜の近くに溜まっている場合が多いため、無理やり取ろうとすると鼓膜に触れてしまう可能性があります。鼓膜を傷つけたり炎症を起こしたりすると、耳の水よりも面倒なことになるため気をつけましょう。
頭を強く叩く
水の抜けない側の耳を下に向けて、上側の頭をゴンゴンと叩くのもよく見かける光景です。頭を強く叩くと頭や首に損傷を与える可能性があります。耳の水を出すときは、体にダメージを与えない方法を選択しましょう。
耳の水が抜けにくくなる「サーファーズイヤー」とは
頻繁に耳の水が抜けない症状がある場合、「サーファーズイヤー」になっている可能性もあります。サーファーズイヤーとは、外耳道の入り口の軟骨が変形して盛り上がっている状態のことです。
サーファーズイヤーは名前のとおりサーファーがよくなる症状であり、長年冷水や冷風にさらされることが原因とされています。とくに寒い地域で、頻繁に海に入る機会がある方は注意しておきましょう。
耳に水が入るのを予防する方法
耳に水が入るのを予防する方法としては、耳栓の使用があります。ウォータースポーツ専用の耳栓を使えば、水の侵入だけでなく汚れや冷気、バクテリアからも耳を守れます。
耳栓を着けたまま会話もでき、サイズを選べばフィット感も調整可能です。マリンスポーツをする方は、上記で解説したサーファーズイヤーになるリスクもあるため、耳栓での予防がおすすめです。
ダイビング中の「水抜き」とは
ダイビングでは、水中でおこなう「水抜き」も重要なポイントとなります。水の中に潜ると、水圧の関係で耳が詰まったような感覚が起こります。この違和感を取り除くためにおこなうのが、水抜きです。
耳抜き不良により、水中で耳の痛みやめまいが生じ事故につながるケースも多いため、ダイバーにとって必須のスキルといえます。
水抜きの方法
ここでは、ダイビングの代表的な水抜きの方法3つをご紹介します。
- バルサルバ法
- フレンツェル法
- トインビー法
バルサルバ法
バルサルバ法は、耳抜きの中でもっとも一般的な方法です。口を閉じた状態で鼻をつまみ、息の圧で耳管を開きます。詳しい手順は以下のとおりです。
- 口を閉じて鼻をつまむ
- 喉から耳に息を送るイメージで息を吐く
フレンツェル法
フレンツェル法は中級者~上級者向けの耳抜きの方法です。耳への負担が少なく、経験を積むにつれてバルサルバ法から自然に移行する方も多いです。
- 鼻をつまむ
- 舌の根元部分を上顎につける
- 耳管が開いた感覚があればOK
トインビー法
トインビー法は、つばを飲むと耳管が開く体のメカニズムを利用したものです。自然にできるようになる方もいれば、練習してもできない方もいます。詳しい手順は以下のとおりです。
- 鼻をつまむ
- つばを飲む
ダイビングの耳抜きができないときの対処法
耳抜きができていない状態で深く潜り続けると、事故の原因になることもあり危険です。潜降時にうまく耳抜きができないときは、耳が痛くない地点まで浮上してから再び挑戦しましょう。
この際、抜けないほうの耳を上に向けると、水が抜けやすくなります。どうしても抜けない場合は、インストラクターやグループリーダー、バディにサインを送り、潜降を中止するようにしましょう。
まとめ
耳の中に水が入ったときは、放置しておいても自然に出てくる場合がほとんどです。しかし不快感があるため、今すぐどうにかしたい場合は耳に水を入れたり、丸めたティッシュを当てたりといった方法を試せます。
なかなか水が抜けなくても、綿棒を奥まで入れたり、頭を叩いたりなどの強引な方法はやめましょう。ダイバーの場合は、水中での水抜きも必修項目となります。安全なダイビングを楽しむためには、確実に耳抜きがおこなえるよう練習しましょう。
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