女性ダイバーにとって、「せっかくダイビングの予定を立てたのに生理予定日と重なってしまった」といった悩みはつきものです。そもそも、生理中に海に入ることは問題ないのでしょうか。
そこで当記事では、生理中のダイビングについて、注意点やさまざまな疑問点を解説していきます。
目次
生理中はダイビングをしてもいい?
生理中であっても、ダイビングをすることは可能です。ただし、生理期間中の体調には個人差があります。日常生活が支障なく送れる程度の生理痛であれば、ダイビングも問題ありません。
一方、日常生活に支障があるほどの生理痛や怠さ、吐き気や貧血などがある場合は、ダイビングは避けたほうが良いでしょう。
ダイビングでおすすめの生理用品
ダイビング中に使用するのにおすすめの生理用品は、以下の3つです。
ダイビングでおすすめの生理用品
- タンポン
- 月経カップ
- 吸収ショーツ
タンポン
ダイビングでも通常と同じように使用でき、ストレスが少ないのがタンポンです。タンポンは海水も一緒に吸うので、吸収性の低いものを選ぶのがおすすめです。また、海には雑菌が多いため、頻繁に取り換えるようにしましょう。
どうしてもナプキンが使いたい場合
普段タンポンを使い慣れていない方は、どうしてもナプキンを使いたいと思われるかもしれません。ナプキンは吸収性が高く、海水を大量に吸収します。海から上がった後に海水と一緒に経血が漏れ出す恐れがあります。
どうしてもナプキンを使いたい場合は、漏れたときの対策やダイビング後すぐにトイレに行ける環境を整えておきましょう。
月経カップ
月経カップは経血を吸うのではなく溜めるタイプの生理用品のため、長い時間使用できるメリットがあります。一方で、慣れるまでは挿入が難しく、練習が必要です。
頻繁にダイビングする機会があり、快適性を求める方は一度慣れてしまうと便利になるはずです。
吸収ショーツ
吸収ショーツは吸収力が高く、ナプキンをつけなくても一枚で生理に対応できる下着です。体との間に隙間ができにくいため、横漏れが気にならず、快適なフィット感があります。持ち運びもかさばらず、交換もショーツを履くだけで良いのでスムーズです。
生理中のダイビングで持っていくと便利なアイテム
生理用品の他にも、生理中には以下のアイテムを持っていくと便利です。
生理中のダイビングで持っていくと便利なアイテム
- 中が透けないビニール袋
- ラッシュガードレギンス
- 貼るカイロ
- 防寒着
中が透けないビニール袋
ナプキンやタンポンを使用する場合は、外から中が透けて見えないビニール袋を用意しておくのがおすすめです。利用するトイレによっては、汚物入れがない場合もあります。交換した後、入れる場所に困らないよう、あらかじめ準備しておくと良いでしょう。
ラッシュガードレギンス
水着の上にラッシュガードレギンスを履き、その上からダイビングスーツを着ると、漏れ対策になります。黒色のものを選ぶと、漏れたときも目立ちません。また、ダイビングスーツを汚してしまうことも避けられます。
貼るカイロ
水中は夏でも冷えるので、生理中は冷え対策も大切です。貼るカイロをお腹や腰に貼っておくと、冷えによって痛みが生じるのを予防できます。カイロは直接肌に貼ると低温やけどの恐れがあるため、必ずインナーの上から貼るようにしましょう。
防寒着
同じく冷え対策として、ラッシュガードやボートコートも準備しておきましょう。海から上がったばかりのときは、体が冷えやすくなっています。さっと羽織れるものを用意し、体を冷やさないようにすることが大切です。
生理中のダイビングで注意するポイント
生理中でもダイビングは可能ですが、普段より注意を払わなくてはならない点もあります。ここでは、以下の5つのポイントを解説します。
生理中のダイビングで注意するポイント
- タンポンはこまめに取り換える
- 体が冷えないように注意する
- お手洗いの場所を確認しておく
- インストラクターに伝えておく
- 薬の服用には注意する
タンポンはこまめに取り換える
タンポンは、一般的には6〜8時間に一度取り換えれば良いとされています。
しかし、海の中では経血だけでなく、海水も吸収します。海水に含まれる雑菌によってトラブルを起こさないために、ダイビング中は2〜3時間ごとに取り換えるのがおすすめです。
体が冷えないようにする
生理中は体温が低くなり、体が冷えやすくなる時期です。膣や子宮が冷えると、周囲の血流が悪くなり生理痛が増すといわれています。生理中は長時間のダイビングを避け、いつも以上に無理をしないよう心がけましょう。
海から上がったら、羽織りものをしたり、温かいものを飲んだりなどして、体を内側から温めるようにしましょう。
お手洗いの場所を確認しておく
初めて行く場所では、お手洗いの場所を確認しておくのが大切です。お手洗いに行くことを我慢したりせず、ダイビングの合間に頻繁に行くようにしましょう。
インストラクターに伝えておく
ダイビング中は、少しの環境の変化で体調が悪くなる場合もあります。生理中は事前にインストラクターに伝えておくと、万が一の際に対応がしやすくなります。
多くのショップやスクールには女性スタッフがいるため、気軽に伝えておきましょう。
薬の服用には注意する
生理痛がある場合、自己判断で市販の薬を服用してダイビングに行くことは避けましょう。薬の成分の中には副作用があるものもあり、ダイビング中に体調が変わると危険です。
薬を服用した状態でダイビングをしたい場合は、医師に相談した上で決めることをおすすめします。
生理中のダイビングにまつわる疑問
ここでは、生理中のダイビングにまつわる以下の3つの疑問にお答えします。
生理中のダイビングにまつわる疑問
- 血の匂いにサメが寄ってくるって本当?
- ピルの使い方は?
- ダイビング後の温泉は?
血の匂いにサメが寄ってくるのは本当?
サメは血の匂いに反応するといった認識から、「生理中のダイビングは危険なのではないか」と考える方がいます。実際には、ダイビング中にサメに遭遇することを、それほど恐れる必要はありません。
米国スタンフォード大学の調査チームの研究によると、ダイビング中にサメに攻撃される可能性は1億3,600万回中に1回とされています。
また、日本では1995~2014年でサメに襲われた死者は4人いますが、レジャーダイバーが襲われたケースはありません。
どうしても心配な場合は、事前にインストラクターに相談すると不安が軽減できるでしょう。
ピルの使い方は?
数か月前からダイビングの予定が分かっている場合は、ピルを使って生理の時期をずらすのもひとつの方法です。ピルには生理痛を軽減するなどのメリットもありますが、人によっては血栓症になりやすくなるなどのリスクもあります。
ピルは医療機関を受診した上で処方されたものを服用し、受診の際はダイビングについても相談しておくと安心です。
ダイビング後の温泉は?
ダイビング後に、温泉で体を温めることを楽しみにしている方もいるかもしれません。生理中に体を温めることは、血流を良くして生理痛の痛みを緩和する効果があるとされています。
しかし、多くの方が利用する共用温泉では、雑菌による感染のリスクが高まります。
また、経血で浴場を汚してしまう可能性もあるので、マナー違反だとする声も少なくありません。生理中に温泉に入りたい場合は、部屋風呂や月経カップの使用を検討してみても良いでしょう。
また、ダイビング後の温泉については、高温の温泉に入り急激に体を温めると、減圧症を起こすリスクがあるとされています。
生理中、ダイビング後に温泉に入って良いかどうかは、感染症やマナー、温度などの要素を総合的に見て決めると良いでしょう。
まとめ
生理中にダイビングをすることは、基本的には問題はありません。ただし、体調が非常に悪いときには、ダイビングは控えたほうが良いでしょう。
ダイビング時はタンポンや月経カップ、吸収ショーツなどを使うと便利です。また、体を冷やさないための対策も忘れないようにしましょう。
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