ダイビング中にマスクの中に水が入ってきた場合、焦ってはいけません。正しいマスククリアの方法を知っておけば、いつでも冷静に対処することができます。
また、マスクに水が入りやすくなる原因を知っておけば、なるべく入らないように工夫することもできます。
そこで今回は、ダイビングでマスククリアをするコツや失敗の原因、マスクの選び方について解説します。
目次
マスククリアとは
マスククリアとは、ダイビング中マスクに入ってきた水を出すことです。マスククリアができると、ふとした時にマスクに水が入っても焦らずに対処できます。
また、レンズが曇った時に水を入れて洗うといった使い方もできます。
「マスクに水が入るのはよくあること」との心構え
マスククリアを習得するにあたって、「マスクに水が入るのはよくあること」と思っておくことは大切です。
マスクに水が入った場合、緊急事態のように捉えてしまうとパニックになりやすくなります。ダイビング中にマスクに水が入ってきても焦らずに、冷静に対処することが大切です。
マスククリアが上手にできる自信があると焦らずに済むため、実際に潜る前に安全な環境で練習するのもおすすめです。
マスククリアの手順
ダイビング中マスクに水が入ってきたら、以下の手順でマスククリアを行います。
マスククリアの手順
- マスクのフレーム上部を抑える
- 鼻から軽く息を吐く
- 息を吐きながら上を向く
マスクの下の部分から水と鼻息と一緒に出すイメージで、息を吐くのがポイントです。一度行っても水が残っている場合は、2と3を繰り返し行います。
お風呂でマスククリアを練習する方法
ダイビングの事前練習をしたい場合は、自宅のお風呂で練習する方法があります。ここでは、マスクとシュノーケルを使用した方法をご紹介します。
お風呂でマスククリアを練習する方法
- マスクとシュノーケルを装着する
- シュノーケルを加えた状態でシャワーを顔にかける
- ゆっくりと口呼吸をする
- マスクのフレームを傾けて水を入れる
- 水が入った状態で口呼吸をし、息を整える
- マスククリアを行う
マスクの中に水が入る原因
そもそも、なぜマスクの中に水が入るのでしょうか?ここでは、主な原因4つを解説します。
マスクの中に水が入る原因
- マスクのサイズが合っていない
- ストラップの締めすぎ
- 髪の毛が入っている
- 鼻から息を吐いた時
- 水中で笑った時
マスクのサイズが合っていない
顔とマスクのサイズが合っていないと、顔とマスクのシリコンの間に隙間ができます。隙間があると、水が入りやすい原因となります。
ストラップの締めすぎ
マスクに水が入ることを恐れてストラップを締めすぎると、逆効果になる場合があります。きつく締めすぎると顔にシワができたり、シリコン部分がめくれたりして隙間ができ、水が入る原因となります。
髪の毛が入っている
髪の毛が少しでも挟まっているとその部分に隙間ができ、水が入る原因となります。髪の毛を伝って少しずつ入ってくる水滴は不快感が大きいため、マスク装着前にしっかり髪の毛を出しておくのがおすすめです。
鼻から息を吐いた時
ダイビングの際は口呼吸が基本ですが、無意識に鼻から息を吐き出してしまう場合があります。鼻から息を吐くとマスクが浮いて水が入る原因となります。
マスクが上にずれていく原因にもなるため、口呼吸を意識することは大切です。
水中で笑った時
笑った時、顔には笑い皺が生じます。皺になった部分はマスクから浮き上がるため、隙間から水が入ってくる場合があります。
ダイビング中は楽しいこともたくさんあるため、笑うことを我慢する必要はありません。笑ってしまって水が入ってきても適切に対処する方法を知っておくことが大切です。
マスククリアに失敗する原因
マスククリアに失敗する原因
- 鼻から息を吐けない
- 息を吐く時間が短い
- マスクの押さえ方が間違っている
鼻から息を吐けない
鼻から息を吐くことはマスクに水が入る原因になりますが、マスククリアをする際は鼻から息を吐く必要があります。急な切り替えが難しく、水中でどう息を吐いたらいいのかわからなくなってしまうことがあるかもしれません。
水面で鼻呼吸と口呼吸の切り替えの練習をしておくと、マスククリアの際も成功しやすくなります。
息を吐く時間が短い
焦ってマスククリアをしようとして息を吐く時間が短くなると、水が上手く抜けません。息を吐くときのポイントはハミングをするように長く吐くことです。
ただし、力強く息を吐いた場合も水は抜けにくくなるため、正しい息の吐き方を習得する必要があります。
マスクの押さえ方が間違っている
マスクの上部を押さえるときは、上から下向きに押さえるのが正しいやり方です。正面や下から押さえると、マスク上部から空気が漏れる原因となります。
また、押さえる力が強すぎると隙間ができた場所から空気が漏れ、水が抜けにくくなります。マスクは軽い力で正しい方向に押さえるようにしましょう。
顔に合ったマスクを選ぶポイント
マスクのサイズが自分の顔に合っているかどうかは、以下の方法で確かめられます。
顔に合ったマスクを選ぶポイント
- ストラップをかけずにマスクを顔にあてる
- 鼻から軽く息を吸って息を止めてる
- マスクから手を離す
- その状態で顔を降り、マスクが落ちないか確かめる
この方法でマスクが落ちなければ顔にフィットしているといえます。鼻から息を吸うときは、軽く吸って息の力でマスクを引き付けようとしないことがポイントです。
マスクの種類には以下の2つがあり、自分に合ったものを選ぶことも大切です。
マスクの種類
- 一眼タイプ
- 二眼タイプ
一眼タイプ
一眼タイプは視野が広く、外から顔の表情が分かりやすいのが特徴です。一眼タイプでは度付きのレンズを使用することはできません。
一眼タイプは二眼タイプより内容積が大きいものが多いです。
二眼タイプ
二眼タイプは内容積が小さいものが多いため、初心者でも扱いやすいのが特徴です。度付きのレンズを使用する場合は、二眼タイプがおすすめです。
マスクの正しい着け方
マスクに水が入らないようにするためには、正しい方法で着けることも大切です。正しい着け方をするための注意点は、以下のとおりです。
マスクの正しい着け方
- 装着時に髪の毛が挟まらないように注意する
- シリコンの外側がめくれないようにセットする
- 上唇の少し上の位置にシリコンが来るよう調整する
- ストラップの締め付けすぎに注意する
- ストラップがねじれないように注意する
- 髪を束ねる場合はできるだけ低く束ね、上から装着する
マスククリアを習得して快適なダイビングをしよう!
マスククリアは、マスクの中に水が入ってき時に水を出すために行います。マスククリアをする時は、落ち着いてゆっくりと鼻から息を吐くのがポイントです。
息の吐き方やマスクの押さえ方が間違っていると上手く水が抜けないため注意しましょう。水が入りにくくするために、顔のサイズに合ったマスクを選ぶことも大切です。
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