ダイビングにおいて潜降は必須のスキルです。それでも初心者のうちは、なかなか思うように沈めない方も少なくありません。潜降は少しのコツを知れば、よりスムーズに行いやすくなります。
そこで今回は、ダイビングで潜降をするコツや失敗例、対策についても解説します。
目次
基本的な潜降の方法
初めに、基本的な潜降の方法を解説します。潜降の手順は以下のとおりです。
基本的な潜降の方法
- 潜降のハンドシグナルをする
- シュノーケルをレギュレーターに交換する
- 時刻と残圧を確認する
- 潜降を始める
- 耳抜きをする
- 必要な場合はBCに給気する
- 水底の安全を確認する
- ウエイトベルトを締め直す
初めに潜降のハンドシグナルをします。スノーケルからレギュレーターへの交換は、水面で口に波が入らないよう水中で行います。時刻と残圧の確認はガイドが代表して行う場合が多いです。
次にBCやドライスーツの空気を抜き潜降を始めます。潜降し始めたらすぐに耳抜きを行いましょう。
潜降スピードが早くなってきたら、必要に応じてBCに給気します。着底しない場合も、念のため海底に危険な物や生物がないことを確認します。
ダイビングを開始する前に、緩んだウエイトベルトも締め直しておきましょう。
2種類の潜降方法について
潜降方法には、以下の2種類の方法があります。それぞれの違いについても解説します。
リストのタイトル
- フィートファースト潜降
- ヘッドファースト潜降
フィートファースト潜降
フィートファースト潜降は、足から潜降するスタイルです。フィートファースト潜降の姿勢を取る手順は以下のとおりです。
基本的な潜降の方法
- 息を吐きながら水底方向をみる
- 沈み始めたら軽く息を吸ってゆっくり吐く
- 前傾姿勢になり膝を曲げて姿勢安定させる
フィートファースト潜降のポイントは、以下のとおりです。
リストのタイトル
- 2〜3mまでは息を吐き続ける
- 目線は水底方向を見る
- 前傾姿勢をとる
ヘッドファースト潜降
ヘッドファースト潜降は、頭から潜降するスタイルです。ブルーウォーターダイビングなどでこの方法を使うことが多いです。手順は以下のとおりです。
ヘッドファースト潜降の手順
- 水面に対して水平に浮かぶ
- BCの緊急排気バルブの紐を持つ
- 腰を90°曲げて前傾姿勢になる
- 頭が下に向いたら足を上げ、体を垂直にする
ヘッドファースト潜降のポイントは水面に対して垂直に潜ること、早めに耳抜きをすることです。
潜降をスムーズに行うコツ
ここでは、潜降をスムーズに行うコツを5つご紹介します。
潜降をスムーズに行うコツ
- しっかりと排気する
- 息を大きく吐く
- 前傾姿勢を意識する
- 耳抜きをしっかりする
- 泳がない
しっかりと排気する
BCに空気が残っていると、潜降ができません。パワーインフレーターを持つ手を高く上げ、しっかりと排気することが大切です。
パワーインフレーターの排気口を見て、目視により空気が抜けきったことを確認しましょう。
息を大きく吐く
肺の中に空気があると浮力が働くため、息を大きく吐くことを意識しましょう。息を吐かなくても沈んでいく場合は、オーバーウェイトにも注意する必要があります。
前傾姿勢を意識する
直立状態で潜降すると、タンクの重みで後ろに倒れやすくなります。水面で前傾姿勢になっていると、背中から落ちることを避けられます。
足の甲を水底に向けると前傾姿勢が取りやすくなります。
耳抜きをしっかりする
耳抜きは沈んで1mくらいの水深からすぐに始める必要があります。潜降することに集中し過ぎると耳抜きを忘れてしまうことがあるため、注意しましょう。
泳がない
潜降の間に足を動かすと、水底に向かう方向に逆らって水面に行く動きをしていることになります。潜降の時は意識的にフィンキックをしないようにすることが大切です。
潜降の失敗例と対策
ここでは、以下の潜降の失敗例と対策を解説します。
潜降の失敗例と対策
- 息を吐き切れない
- 息は吐いた後すぐに息を吸ってしまう
- オーバーウエイトになっている
息を吐き切れない
潜降開始前に水面を泳いでいたり緊張していたりすると、呼吸が浅くなりやすいです。息を十分に吐き切れていないと肺の浮力で沈みにくくなります。
水面で深い呼吸に整えたうえで潜降を始めるとゆっくり沈んでいけます。
息を吐いた後すぐに息を吸ってしまう
息は吐き切っても苦しくてすぐにまた息を吸ってしまう人も多いです。体が沈み始める前に息を吸うと体が浮かびやすくなってしまうため、しばらくは息を吐き続ける必要があります。
呼吸が限界を迎えそうな場合は、いっぱい吸うのではなく軽く吸う程度に留めましょう。自分の身体と同じくらいの深さまで沈めたら、普通の呼吸に戻しても浮かびにくくなります。
オーバーウエイトになっている
正しい呼吸ができていない状態で、体を沈めようと重りをたくさん付けると、オーバーウエイトになります。オーバーウェイトで潜ると中性浮力が取りにくくなったり、空気の消費が早くなったりするデメリットがあります。
ウエイトは重さで沈めるかどうかで判断するのではなく、正しい測り方で決めるようにしましょう。
ドライスーツからしっかり空気を抜く方法
ドライスーツはウェットスーツに比べてエアコントロールがあるため、潜降が難しいと感じる人も多いです。ここでは、ドライスーツからしっかり空気を抜く方法をタイミング別に解説します。
ドライスーツから空気を抜く方法
- 陸上
- 水面
- 潜降開始直後
- 泳いでいる時
陸上
陸上では、ドライスーツを着たタイミングで空気を抜きます。重器材を背負ってからやウエイトベルトをしてからでは体勢が取りづらくなるため注意しましょう。
ドライスーツの首のシールに前から指を入れ、引っぱります。しゃがんでからシールを元に戻し、立ち上がると空気が抜けます。
水面
潜降する前には、水面が肩位になるまでBCDの空気を抜きます。水圧を全体にかけ、バルブを押しながら抜きます。
水面ではバルブを押す時に肩が下がりやすくなるため、脇をしっかり締めて行いましょう。体を垂直にして首の付け根辺りに触れた時に空気が残っている場合は、再度空気抜きが必要です。
潜降開始直後
潜降開始直後、頭が水に浸かったタイミングでもう一度空気抜きを行います。体が直立していて全身に水圧がかかっている状態では、簡単に空気が抜けます。
泳いでいる時
深度が上がっている場所で空気が残っていると浮きやすくなってしまいます。泳いでいる時に空気抜きをする場合は、体をひねってバルブを上に向ける必要があります。
ある程度水深がある場所では体を30度程の角度に立てると空気が抜けやすくなります。
潜降のコツを習得して安全にダイビングを楽しもう
潜降をスムーズに行うコツには、しっかり排気することや息を大きく吐くこと、前傾姿勢を取ることなどが挙げられます。緊張していると呼吸が浅くなりやすいため、水面で息を整えることは大切です。
また、体を沈めようとするあまりオーバーウェイトにならないよう注意しましょう。
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